士業の先生方は、職業柄様々な場所で講演やセミナーを行うことも多いのではないかと思います。相談件数、受任件数を増やすためにセミナーで新規顧客にアプローチするという手法は、「信頼」という強みを持っている士業の先生方にとって、効果的なマーケティング手法の一つです。

私が現在お手伝いしている相続分野に注力する士業事務所でも、一般顧客向けや専門職向けに相続・遺言セミナーを行う事務所が増えてきました。

しかし、セミナー活動が「期待する成果」に結びついてない先生方も多くいらっしゃいます。
・セミナーをしても個別面談や受任に繋がらない
・セミナーを依頼されることはあっても、継続的な講演依頼には繋がらない
・セミナーの満足度が低い
・セミナーは労力だけがかかり、売上に繋がらないので消極的だ

という声を先生方から頂くことが多いです。

私たちが運営している「相続・財産管理研究会」でゲスト講師として、年間40~50件の相続遺言セミナーを開催している「行政書士・さやま法務コンサルティング」佐山和弘先生にご登壇いただき、「参加者の心を掴み、行動を促す遺言セミナーの極意」というテーマでご講演いただきました。

狭山先生のセミナーでは、講演中に様々なことを実施している様です。
・セミナー中、寝ててもバレないエクササイズ
・佐山先生作詞作曲の「ゆいごんの歌」を歌唱
・認知症予防エクササイズ
・プレゼント付き「遺言クイズ」   etc.

相続や遺言などテーマが暗いイメージのある内容は「いかに話を聞いてもらうか」が重要であり、聴講者の気持ちを和らげ、話を聞いてもらうための取り組みに時間を割いていらっしゃるようです。

また、セミナーの序盤では「つかみネタ」を用意し、一気に自分の話に引き込む工夫をしていらっしゃいます。
・何気ない家族写真を見せて「相続トラブルが起きればこの写真は二度と撮れない」ことを伝える
・「よくある言い訳」を潰す。「遺書みたいなもので縁起が悪い」→「生きるために思いを残す遺言とは違う」
・事例を多く話し、「自分は関係ない」という意識を潰す

更にセミナーでは、
・レジメは作りすぎない。聴講者が聞かなくなってしまう&講演者が伝える工夫をしなくなる
・嫌がる言葉は使わない「×遺言」「○公正証書」
・他の投稿者の前で質問を受け付けるのではなく、ご質問用紙を準備し、個別に相談してもらう

などの工夫を行っていらっしゃいます。
私が、佐山先生のお話を聞きし、セミナーが上手な先生とそうでない先生の違いは、セミナー講演中における「制度についての話」の分量の割合にあると感じました。

セミナー経験が少ない先生でも、制度に関する話はいくらでも作ることができますが、それでは聴講者の気持ちが動き、「遺言を作る」「個別に相談する」などのアクションに結び付けられません。そんなアクションに結びつけるには、聴講者の気持ちを動かすことが必要不可欠です。セミナーを通じて気持ちを動かし、行動につなげるために、聴講者をリラックスさせ、「つかみ」で話に引き込み、事例で危機感を持たせ、メッセージを伝えることで共感してもらう必要があります。

セミナーの結果なかなか受任や売り上げに繋がらないとお困りの先生は、一度自分のセミナーを振り返り、
・聴講者に自分の話を聞いてもらうための工夫がされているか
・制度の話を盛り込みすぎず、事例の話をたくさん入れられているか
・メッセージをストーリーで伝え、聴講者の気持ちを動かすことができているか
・セミナーの終盤で、聴講者にとってもらいたいアクションを明確に伝えているか

などのポイントを確認してみてください。

それから、セミナーが上手な先生の講演を沢山聞くことで、得られるものがたくさんあると思いますので、ぜひ取り組んでみてほしいと思います。

この記事を書いたコンサルタント

川崎啓
川崎啓


新卒で株式会社船井総合研究所に入社後、多岐に渡る業界の経営コンサルティングに従事した後に、司法書士事務所専門コンサルティングチームへ。

現在は、全国20を超える司法書士事務所の経営サポートを行っており、その大半は相続業務を基軸に業績アップの提案を行っている。

WEBや紙媒体を駆使して、一般顧客からの受任を獲得するダイレクトマーケティング支援はもちろん、遺産整理や遺言執行などの業務導入を促進し、相続平均受任単価を倍増させる支援や、早くから成年後見業務の社会性、将来性、収益性の可能性を感じ、ご支援先に対して後見業務を切り口とした介護関係チャネルの営業支援を行い、業績アップ、永続成長事務所創りをお手伝いしている。

司法書士の社会的地位の向上を後押しすることをミッションとして、日々経営サポートに励んでいる。