2019年07月16日

民事信託の提案をパターン化し、受任率70%を超える方法とは?~提案書をフックにした営業・提案の仕組み化~

いつも当コラムをご覧いただきありがとうございます。
(株)船井総合研究所 相続グループ 民事信託チームの廣瀬です。
 
本日は、民事信託研究会6月度例会でもお伝えいたしました、
民事信託の提案力アップの方法についてお伝えいたします。
※「民事信託研究会」について気になる方はこちらから研究会サイトをご覧ください!
 
  

1.民事信託の受任は難しい?

民事信託に取組み始めた事務所様からよくお聞きするのが、
・「相続・家族信託セミナーで30名以上の集客があったが、受任には至らなかった」
・「無料相談会での感触はよかったと思ったが、その後につながらない」
・「遺言は受任できるが、民事信託はなかなか受任できない」
といったお声です。 
 
不思議に思いませんか?
相続・家族信託と打ち出したセミナーや個別相談に参加している方には、
何かしらの不安や希望、少なくとも民事信託の潜在的なニーズはあるはずです。
 
また、遺言が必要な顧客層に対しては、100%ではないにせよ、
民事信託が優れた問題解決策として当てはまることが多いはずです。
では、なぜ受任に至らないのでしょうか?
 

2.民事信託を提案する際の「落とし穴」

民事信託は、先生方の提案に価値がある「コンサルティング」業務です。
すなわち、潜在的な不安やニーズを抱える顧客に対して、
専門家である先生方がニーズを喚起してゆく作業が必要になります。
 
つまり、顕在化したニーズに解決策を提供する、紛争解決や遺産整理、相続税申告などとは
根本的に異なるアプローチ(提案型の営業)が必要となります。
さらに、民事信託という商品の特性上、提案時に気をつけなければならない「落とし穴」が2つあります。
 
<落とし穴(1):民事信託を「わかりやくすく伝える」のは難しい!>
民事信託は、認知度がまだ低い商品です。
メディアなどで露出する頻度は上がってきましたが、
一般の方にとっては「よく分からない」ものなのです。
当然、「よく分からない」ものに対してお金を払う人はいません。
 
ここで注意していただきたいのは、
「民事信託のスキームや制度の仕組みを詳しく伝えましょう」ということではありません。
法律の専門家である先生方は「制度の仕組みを詳しくお伝えしたい!」と、
内容盛りだくさんのテキストをお使いになることがあります。
 
これは、一般の方向けのセミナーに関して言えば、
逆に面談誘導率や受任率が下がってしまう可能性が高いのです。
 
なぜかといえば、参加者が制度の理解に追い付けず、
「民事信託は難しい、よくわからない」といった状態になってしまうのです。
こうなると、次のステップ(例えばセミナーから個別相談など)に
顧客を引き上げることは非常に難しくなります。
 
完全に制度を理解してもらう必要はありません。
それよりも、「なぜ必要なのか」を理解してもらう事が重要です。
 
<落とし穴(2):民事信託は、間接的に家族にもアプローチする必要がある!>
民事信託には、委託者と受託者という主役が2名います。
よくあるパターンとしては、親が委託者、子が受託者というパターンです。
 
例えば、お父さんがセミナー相談会に参加し、やる気になったとします。
遺言であれば、ここで受任です。
 
しかし、民事信託の場合は、家にいったん帰り、受託者となる娘や息子さんに民事信託を説明し、
やる気にさせなくてはいけません。
先生方でも一苦労する民事信託の提案、ニーズの喚起というプロセスを、
ご家族間でやってもらうことになるのです。
 
これはかなり難易度の高い作業であることは、容易に想像がつくでしょう。
つまり、ご家族に提案内容が伝わらないことで、次のステップに進まない、ということが起こるのです。
 
以上、2つの落とし穴を踏まえて言えることは、民事信託の提案には、
 1)相談者を迷子にしない、分かりやすい説明
 2)相談者の先のご家族にも分かりやすく提案が伝わる仕組み

が必要であると言えます。
こうすることで、「難しくてよく分からないので、やらない」という状況を
徹底的につぶしていくことがポイントです。
 

3.民事信託提案の落とし穴に陥らず、受任率70%を実現する方法とは

ここまでの内容でお伝えしたいことは
「民事信託の提案・受任は難易度が高い」ということではありません。
 
現に、私たちのコンサルティング先では、民事信託サービスを提供し始めて、
半年で10件以上の受任をしている先生もいらっしゃいます。
 
民事信託は、営業力に長けたセンスのある先生だけが受任出来るものでは決してありません。
商品の特性を踏まえた提案フローの理解と、適切なツールを整備することで、
受任力をグンと伸ばすことができます。
 

<民事信託信託の提案フロー>

顧客が民事信託を先生方に依頼するまでのよくあるパターンを整理すると、このようになります。
 
<心理的な動き>   <行動>
1)不安を覚える   |親の体調不良やメディアの情報などで「何かしなければ」と思う
   ↓
2)民事信託を知る  |セミナーやウェブサイトなどで民事信託のこと勉強する
   ↓
3)自分事として考える|個別相談に参加する
   ↓
4)家族に話をする  |家族に個別相談で聞いたことを伝える
   ↓
5)家族事として考える|2回目の相談に家族で参加する
   ↓
6)対策する決心をする|民事信託を依頼する
 
受任に到達するまで、この矢印を1段ずつ丁寧に「引き上げてゆく」という作業が必要となります。
つまり、どこかのタイミングで「よくわからない」という判断をされたら受任は難しくなります。
  

<受任力を上げるためのツール>

こうした顧客の心理的なステップを引き上げ、ニーズを喚起することは、
属人的なスキルに依存すべきではありません。
このために、提案のクオリティを均一化するためのツールの活用が欠かせません。
 
様々なツールの活用方法が考えられますが、そのなかでも特に重要で、
ぜひ活用していただきたいのが「提案書」です。
この「提案書」をKPIとして提案フローの中にうまく組み込むことで、
顧客の「分からない」を防ぎ、受任する側も、
ステップの引き上げ作業を確実に行うことができるのです。
 
私たちのコンサルティング先の事務所様では、
提案書を利用するようになってからの受任率は、70%を超えています。
 

4.提案書の活用方法

第一に、提案書の基本構成は、以下のようなものをおすすめしています。
(1)状況整理     :ヒアリングをもとに、相談者の状況や希望を整理する
(2)リスク訴求    :このまま何もしないと起こりうるリスクを説明する
(3)対策の提案    :リスクを回避し、お客様のご希望を叶える提案をする
(4)料金・スケジュール:ご依頼いただいた場合の見積とスケジュールを説明する
 
第二に、以下のように、提案書の提出率をKPIとしてとることが重要です。
<セミナーの場合>受任件数=セミナー参加者数×個別面談誘導率×提出率×受任率
<HP経由の場合>受任件数=問合せ数×個別面談誘導率×提出率×受任率
 
第三に、先ほどの提案フローの各ステップに、提案書を組み込みます。ポイントは、ただ提案書をつくるということだけでなく、提案書をフックにして顧客の引き上げ作業をおこなうところにあります。
  
<顧客の行動フロー>   <提案書の活用方法>
1)不安を覚える   | 
     ↓
2)セミナーに参加する|個別相談に参加した方には提案書を作成すると案内する
     ↓
3)個別相談に参加する|提案書に必要な項目を抜け漏れなくヒアリングする
     ↓
4)家族に話をする  |提案書を渡す面談の場に、ご家族と来ていただくよう誘導する
     ↓
5)家族事として考える|提案書をもとに提案を行う
     ↓
6)民事信託を依頼する|
  

5.おわりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。
受任担当者の営業力に大きく左右されると思われがちな民事信託も、
しっかりと顧客の理解と商品の理解をすることで、このように仕組み化することができます。
 
ぜひ、民事信託の受任率で課題を感じていらっしゃる皆様には、
当コラムの内容を実践していただければと思います。
  
もし、実際のツールがどのようなものかみてみたい、
ご自分の事務所での落し込みについて相談したい、といったご要望がございましたら、
民事信託専門のコンサルタントによる無料個別相談をご活用ください。
 
無料個別相談では、実際に全国の事務所様ご利用いただき
「わかりやすい!」と好評をいただいているセミナーテキストや、提案書のひな形をご覧いただき、
具体的な成功事などを踏まえたご提案をさせていただきます。
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

廣瀬 大悟(ひろせ だいご)

長野県上田市出身。横浜国立大学大学院修了。大学院では文化人類学を専攻し、狩猟研究を行う。 株式会社船井総合研究所に入社後、環境エネルギー分野におけるBtoBマーケティングを専門とするコンサルティングに従事。 現在は、士業事務所を専門とし、BtoCおよびBtoBマーケティングに特化したご支援を行っている。特に、「民事信託」を活用した相続関連事業の立ち上げ、業績アップに注力している。 超高齢社会において、士業事務所が提供するリーガルサービスのさらなる価値向上をモットーに、全国の士業事務所をサポートしている

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