2020年07月13日

遺言書保管制度開始で遺言書マーケティングの何が変わるのか?

遺言書作成後の保管に関する制度が2020年7月10日から施行開始されました

自筆証書遺言のデメリット(形式無効、紛失など)が大幅に解消するという見立てで、進められている本制度ですが、これを受けてどの程度、遺言書作成の問題点が解消され、作成のハードルが下がるのか、遺言書作成の件数が増えるのか、 先生方はいかにお考えでしょうか。

ご支援の中で、この制度についてお話をすると多くの先生は「ほとんど何も変わらない」とおっしゃいます。
私どもも同様に「このままでは」何も変わらないのではないかと思っています。

しかし、本当にそれでいいのでしょうか。随分ともったいないことかもしれません。

今回の法制度改定がきっかけで、遺言書作成についての露出は増え、遺言についてのニーズは一時的に増えると思います。
このタイミングに乗じて、先生方も遺言作成についての認識を少し変え、改めてマーケティングに取り組むことを考えてもらいたいと思います。

これまでは、先生方としても遺言書を作成するのであれば、「自筆証書遺言より公正証書遺言」というのが一般的な考え方だったかと思います。
もちろん、遺言にまつわるリスクを低減させるためにも、自筆より公正証書でというのは、間違いないでしょう。

一方で、見方を変えると、それがこれまで日本で遺言書作成が広まって来なかった理由の一つでもあるのではないでしょうか。
つまり、遺言作成のハードルが高く、「費用をかけて公正証書化するのであれば完璧に」という作成者、及び専門家である先生方の思いが、 気軽に遺言書作成に取り組めない雰囲気の原因になってしまっていたのかもしれないとも思うのです。

仮に、遺言書が気軽に書けて、状況が変われば何度も気軽に書き直し、大きな費用もかからず、安心した場所に残せるのであれば、遺言書作成をする方々は今よりも増えるかもしれません。

そこで、我々のご支援先には、
遺言書作成のハードルを限りなくゼロにして、セミナーや勉強会など遺言が作れるだけの情報提供を惜しみなく行い、簡単なリーガルチェックもしてあげて、報酬も思い切って下げて、自筆証書遺言を書くお手伝いを沢山する

・自筆証書遺言作成をサポートした後は、事務所の遺言保管サービスで必ず預かり、出来る限り多くの遺言執行をお手伝いする。遺言作成報酬ではなく、遺言執行報酬で儲ける

というアイデアを元に、新たなサービスを作っていただくことを提案し始めています。

都心を中心に、相続手続きや遺産整理業務の報酬が大幅に下落しています。
数年後はさらにシステム化も進むことで業務生産性が向上し、相続手続きではほとんど収益が上がらないようになっていることも考えられます。
全ての相続手続きを10万円以内で行うモデルも都心を中心に出てきました。

今後は、相続発生後で見込み客を掴まえるのではなく、 遺言など生前対策で顧客化する動きが必要になります。
上記でご紹介した取り組みもまさにそれで、「遺産承継業務生前予約券」を広めるとも言い換えることができます。

売上の公式は
セミナー集客数 → 自筆遺言作成者数(件数) → 遺言チェック件数 → (公正証書遺言提案、遺言コンサル提案) → 遺言執行就任件数 → 遺言執行(≒ 遺産承継業務)実行件数 × 客単価(遺言執行単価)
となるでしょうか。

今回の法改正の動きを「チャンス」と捉えることができれば、上記のような新しい動きにも積極的に挑戦していただけるかと思います。
船井総研に関わっていただいている会員事務所様には、現状の問題点を打破し、顧客ニーズに寄り添ったサービス提供をしていただける「地域一番相続事務所」であって欲しいです。

今回ご紹介した取り組みは、まだアイデアの種に過ぎませんが、少しずつ我々のご支援先でも事例を作っていき、研究会などでご紹介できるようにしていきたいと思います。

【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 川崎 啓(かわさき けい)

新卒で株式会社船井総合研究所に入社後、多岐に渡る業界の経営コンサルティングに従事した後に、司法書士事務所専門コンサルティングチームへ。 現在は、全国20を超える司法書士事務所の経営サポートを行っており、その大半は相続業務を基軸に業績アップの提案を行っている。 WEBや紙媒体を駆使して、一般顧客からの受任を獲得するダイレクトマーケティング支援はもちろん、遺産整理や遺言執行などの業務導入を促進し、相続平均受任単価を倍増させる支援や、早くから成年後見業務の社会性、将来性、収益性の可能性を感じ、ご支援先に対して後見業務を切り口とした介護関係チャネルの営業支援を行い、業績アップ、永続成長事務所創りをお手伝いしている。 司法書士の社会的地位の向上を後押しすることをミッションとして、日々経営サポートに励んでいる。

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