2018年12月04日

不動産登記のこれから。IT時代を乗り超えるために。

みなさま、お世話になっております。
法律事務所コンサルティンググループの荻窪です。
今回のコラムでは、不動産登記のIT化をテーマにお話したいと思います。
 
近頃は第四次産業革命と呼ばれ、フィンテックをはじめ様々な業界でIT化が進んでおります。
法曹界も例外ではなく、リーガル×ITでリーガルテックと呼ばれるものが盛んになってきております。
 
実際にリーガルテックをテーマにしたセミナーが多く開催されており、先日私も参加しました。
その中でも本日は不動産登記に関わるIT化の例を取り上げさせていただきます。
 
不動産登記をIT化するにはブロックチェーンの技術が必須です。
ブロックチェーンとは世界で最も取引数の多い仮想通貨である
ビットコインの基盤技術であり、2008年に発表された技術です。
 
通常のネットワークシステムであればサーバーなどの管理者が必要ですが、
参加者全員で取引を管理する分散台帳システムを採用することで管理者が不要であり、
また世界中の一定時間の取引を一つのブロックとして記録し
ハッシュ値という独自の暗号化技術で取引を要約して
次のブロックの最初に書き込むためデータを改ざんしようとすれば、
それ以前、以降のデータもすべて書き換えなければいけないことから
改ざんが極めて困難であるといわれています。
 
こうした特徴からブロックチェーンは様々な分野で応用が期待されており、
実際に金融、不動産、医療分野などで活用され始めています。
 
現在、不動産登記の手続きは主に法務局が行っており、
登記するには管轄法務局へ赴き、申請の上登記官の確認を経て登記が記録されます。
登記申請から記録が公開されるまでは約2週間かかり、
その間は権利関係があいまいでトラブルになることも少なくありません。
ここにブロックチェーンの技術を応用することで
登記事務の手間が減りスムーズに登記が可能になると考えられます。
 
不動産の登記記録は過去の権利関係及び最新の権利に関する情報であり、
改ざんが許されないのはもちろんのこと、
一般に公開されているという性質上ブロックチェーンとの親和性が高いと考えられています。
実際にガーナでは政府のシステムとして運用されていますし、
カナダでも実証実験が行われています。
 
不動産登記にブロックチェーンが応用されれば、
家にいながらオンラインで自分のPCから申請ができ、
登記記録を申請せずともスマホなどで24時間365日閲覧することも可能になります。
 
その上、維持費は安価で法務局の運営コストも削減できます。
またデータ改ざんのリスクも少ないためいまと同等以上のセキュリティ強度も備えています。
つまり今より早くて安心で便利に不動産登記が出来るようになるということです。
 
法整備などの課題はありますが、
不動産の他の契約関係やポータルサイト情報なども含め
今後はどんどんIT化が進んでいくと思われます。
法律分野もモタモタしてはいられません。
 
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

荻窪 基也(おぎくぼ もとや)

神奈川県出身。成蹊大学卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所へ入社。 法律分野では、弁護士事務所向けのコンサルティングに従事し、企業法務において 顧問獲得セミナーの企画等を行い、弁護士事務所の業績アップにコミットしている。

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